ヴァルカナイズ・ロンドン

FROM Mr. CLASSIC

ひとつ屋根の下に集う、ロンドンの魅力

ジェレミー・ハケット氏

ヴァルカナイズ・ロンドンの21年目を祝し、
コメントを寄せてくれたのは「ハケット ロンドン」の
創業者として知られる、ジェレミー・ハケット氏です。

まず、ヴァルカナイズ・ロンドンが誕生から21年目を迎えたことを祝福したい。奇しくも「ハケット ロンドン」は40周年。私は1980年代後半から日本を訪れているが、日本人の英国に対する愛情にはいつも驚かされる。そんな日本のファンや20年近く関わりを持つヴァルカナイズ・ロンドンとの思い出について、少し語りたい。

12歳の頃、クリスマスプレゼントとしてもらった「パーカー」の万年筆、その長年のパートナーとして活躍している「スマイソン」の手帳やノート。昔から好きな「フォックス・アンブレラ」とは、私の愛犬ハリーとマフィンをあしらったコラボレーション傘を作ったほど。そして2004年に初めて購入し、とても感銘を受けた「グローブ・トロッター」。私はこのユニークなスーツケースを携えて世界中を旅しているが、旅先で常に賞賛されている。このストーリーについては、拙著『MR CLASSIC』に追筆しているので是非ご覧いただきたい。これらの英国ブランドが一同に会するショップが、ヴァルカナイズ・ロンドンだ。もちろん「ハケット ロンドン」もショップ・イン・ショップとして長年展開し、多くの日本のファンのおかげで成長を続けている。最近は、献身的で情熱的なスタッフのおかげで、メイド・トゥ・メジャーのスーツやジャケットをはじめとしたオーダーが劇的に増えていると聞いている。

このように、ヴァルカナイズ・ロンドンには私が愛する英国製品があふれていて、ひとつ屋根の下にロンドンの魅力が凝縮されたようなショップだと感じている。また、ここで販売されている多くのブランドが、英国王室から最高の製品にのみ与えられるロイヤル・ワラントを取得していることにも驚いた。私がそれ以上に感動するのは取り扱う商品だけではない。ヴァルカナイズ・ロンドンのスタッフの皆が、心地よく迎え入れてくれるホスピタリティや、どんなにささやかなものであっても、丁寧にラッピングする細部へのこだわりがとても大好きだ。「ハケット ロンドン」は、数年前にはサヴィル・ロウ14番地にJPハケット・タウンハウスをオープンし、オーダーメイドのテーラリングを専門に扱っている。もし、ヴァルカナイズ・ロンドンがロンドンに出店するとしたら、それは私の好きな商品をひとつ屋根の下で買えるという、絶好の機会を与えてくれるはずだ。今後とも、英国の文化を日本に伝えるショップであることを願っている。

PROFILE

ジェレミー・ハケット
ハケット ロンドン 創設者兼会長

英国ディバイゼルス生まれ。父のテキスタイルビジネスの影響で、幼い頃から審美眼を養う。英国ジェントルマンスタイルの真髄を体現するウェルドレッサーとして“Mr.クラシック”とも称される。自らのブランド「ハケット ロンドン」を1983年に創設し、世界規模でブランドを展開するメンズファッション界のリーダーのひとり。